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米国2007年vs中国2013年 堀古英司さん [堀古英司さん]

中国の設備投資が国内総生産に占める比率は2012年時点で50%近くにも上っています。設備というのは少なくとも数年以上、長ければ数十年耐用するするものですから、数年、数十年にわたる需要を先食いしてしまっている事になります。なので人類の歴史上、設備投資ブームが行き過ぎた後にその反動が訪れるというサイクルは、当然のように繰り返されてきました。しかし中国の設備投資ブームは、そのような人類の歴史の中でも最大と言ってよいでしょう。過去、日本や韓国で起こった設備投資ブームのピークでも、国内総生産に占める比率はせいぜい30%台でした。50%というのは前人未到の領域なのです。
当然の事ながら、反動から来る影響も前人未到のものになると覚悟しておいた方が良いでしょう。だからこそ、上海総合指数は2009年半ばからほぼ一貫して下落を続け、現在も低迷しているのだと思います。アメリカでも3月、テレビ局CBSの看板番組「60minutes」で、中国の街ごと空っぽのマンション群や、テナントが全く入っていないショッピング・モールの風景が放映されたり、しばしば新聞でもブームの反動に対する記事が掲載されるなど、中国経済に対する警戒感は非常に高まっています。むしろ一部ファンドは既に十分過ぎるくらい、中国の設備投資ブームの反動の準備をしている状態です。その意味で、私は現在の中国の状況は、アメリカの2007年の状況に似ていると考えています。
(中略)
しかし中国の設備投資ブームは、山が巨大であった分、今後来たるべき谷も小さくないはずです。私は日米共に株式市場に対しては基本的に強気で良いと思っていますが、ショックが訪れるとすれば、その大きなきっかけの一つは中国と考えています。ですのでこのリスクはヘッジしておかなければなりません。このような考えのもと最近、ここ数年中国の設備投資ブームの恩恵を受けてきた国やセクターの株式の空売りを開始しました。しかし具体的に、反動がいつどのような形で表れるかを予測する事は困難です。今後モノラインのように、本命が頭角を表してくる可能性もあるでしょう。それでも2007年のように、当面相場が逆に向かう可能性も十分あると思います。今年、2013年の中国は、そのような展開も覚悟しながら付き合わなければならなかった、アメリカの2007年の状況にとても似ている感じがしています。
(2013年8月12日記)
以上、転載
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コメント 1

(。・_・。)2k

時間の問題なんでしょうね
どう考えても日本のバブルどころの騒ぎじゃ
済まないですよね

by (。・_・。)2k (2013-09-28 09:39)