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為替介入(米国債購入)vs 日本国債購入 堀古英司さん [堀古英司さん]

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/horiko/horiko_20100922.html
政府にとって負債である国債を日銀が買うと日銀の資産に入ります。そして政府・日銀のバランスシートを連結して考えると、日銀が買った分の国債は相殺できる、即ち経済的な効果としては国債という国の借金は減少する事になります。減少した国債はもちろん、日本国民は返済する必要はないし、利息を支払う必要もありません。相殺する作業は国会がねじれていない時にでもやってもらえば良いと思いますが、取り急ぎ経済的には大きな問題ではありません。
次に日銀による国債購入が円高対策になるか、という点です。均衡為替レートは以下の通り表されますので、理論的には円安になるはずです。
R\=R$+(Ee$\-E1$\)÷E1$\
R\:円金利
R$:ドル金利
Ee$\:1年後の期待ドル円レート
E1$\:現在のドル円レート
日銀が国債を買うと金利がゼロの日銀券に換わりますから、裁定が働いて左辺の金利が下がります。他の条件が一定であれば、E1$\=現在のドル円レートは上昇しなければなりません。但し理論通りにならないケースも考えられます。特にFRBがさらに量的金融緩和を実施してくるなど、「他の条件が一定」とならないケースです。そこで、それでももし円安にならない場合の対策も考えておきましょう。
極端な例として、日銀が国債を700兆円購入しても円安にならなかったとします。すると日本国民は納税者負担なしで国債を完済出来てしまう事になります。要するに、日銀による国債購入は円安要因になるはずですが、ならない場合は納税者負担なしで借金を返済できる、「コインの表が出ても裏が出ても国民の勝ち」という訳です。これは円高だからこそできる、広く日本国民が享受できるメリットなのです。
これは考えられる円高対策のほんの一例です。今回始まってしまった為替介入が、日本国民が本来広く享受できるはずのこのようなメリットを奪ってしまわない事を願うばかりです。
以上、転載
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