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第31回 来年以降のインフレリスクに注意【ズバリ!江守哲の米国市場の"いま"】 [マーケット関係者]

原油価格は底打ちから上昇に転じています。先のOPEC加盟・非加盟国による協調減産合意もあり、需給バランスの改善が価格をさらに押し上げるでしょう。そうなると、米国の消費者物価指数(CPI)はその動きに対して直接的に反応しますので、インフレが進行します。来年1月に入ると、CPIは容易に2%台に乗せるでしょう。2月から3月に掛けては、さらに上昇する可能性があります。その結果、長期金利は上昇するでしょうし、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも大きな影響が出ます。来年は0.25%ずつの利上げが3回見込まれていますが、その程度の利上げでは「ビハインド・ザ・カーブ」となり、利上げペースの遅さが懸念されるかもしれません。そのうえ、原油価格の上昇がさらに強まれば、債券にさらに売りが出て、株式市場でも現金化を急ぐ動きから手仕舞い売りに拍車がかかるかもしれません。原油価格は需給バランスの改善から、今後も強基調で推移すると考えられますので、「債券からコモディティへのシフト」はますます顕著になるでしょう。この数年で世界的に進んだ債券利回り確保の動きから、今後はインフレを懸念した実物資産への投資が進むことになるわけです。来年以降はこのような動きを念頭に入れおくことが重要になると考えています。
2016年12月30日


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